慢性痛の新たな道?ペインクリニック以外の心理学的アプローチをご紹介

ペインクリニックに通っていても、改善されない慢性痛に悩まされていませんか?その慢性痛は、心のケアで改善できる可能性があります。本記事では、慢性痛と心の繋がりについて解説していきます。効果的なアプローチについても紹介しているので慢性痛に悩まされている方は、ぜひ最後までお読みください。

1. 慢性痛と脳の繋がり

まず慢性痛とはなにか、慢性痛と心の関係について紹介します。

1-1. 慢性胃痛とは?

慢性痛とは、言葉の通り痛みが慢性的に続く症状です。怪我をして一時的に痛むことを急性痛といいますが、慢性痛は「痛みが長引き、鎮痛剤が効きにくい」とされています。慢性痛が発生する原因は神経系が異常な反応を起こし、脳に「痛い」という情報が送られ続ける、情報回路の異常伝達によるものです。

1-2. 脳と痛みのつがなり

脳には学習機能が備わっています。前頭前野といわれる脳の領域によって「痛みを感じやすくする脳」が作られてしまうのです。脳が痛みを処理するには3つのポイントがあります。

  • 感覚的側面
  • 感情的側面
  • 認知的側面

まず、感覚的側面とは痛みの発生箇所を脳が捉え、痛みの種類や強さを段階的に処理します。感情的側面というのは本能的な不快感や不安、恐怖、怒りなどの感情が原因となるものです。認知的側面は、その痛みに対し「どの程度の動きをすれば痛くないのか」「この痛みはこの先どうなっていくのか」と認識します。認知的側面は、感情の関係する「前頭葉」や記憶に関係する「海馬」を経由し伝達されるのです。

1-3. 痛みとドーパミンの関係

痛みを処理する「感情的側面」に対してアプローチする方法が、効果的であるといわれています。ドーパミンとは、快楽物質といわれていて「楽しい」「嬉しい」と感じたときに出てくる幸せな気持ちになるホルモンです。ドーパミンが脳の「オピオイド受容体」という組織に作用し、鎮痛効果をもたらすといわれています。たとえば、効果のまったく無いクリームでも「塗ったら良くなる」と思い込むことでドーパミンが発生し、鎮痛に効果があるといった例が実際にあるのです。

2. 心のケアが慢性痛治療に効果的

ここからは、心のケアが慢性痛治療の効果的である理由を解説していきます。

2-1. 心理的問題で発生する慢性痛

痛みは「ストレス」や「不安」を継続的に脳へ伝えることで、本来の痛みの原因が改善しても「痛い」という信号が出続け、慢性的な痛みになってしまうのです。痛みで心がさらに消耗して食欲不振や不眠、イライラなどといった精神的な症状が現れます。こういった症状を放置していると鬱傾向になり生活に支障が出るのです。心の状態を健康にすることで、慢性痛は改善する可能性があります。

2-2. 心のケアをしてくれる「臨床心理士」

痛みを感じ続けることで常に緊張状態である心は、非常に疲れているものです。臨床心理士とは、精神的な悩みの相談相手となってくれる、心理カウンセラーとしてのエキスパートです。臨床心理士のカウンセリングを受けることで以下の効果が期待できます。

  • 悩みや不安の原因を突き止め整理できる
  • 悩みや不安の再発を防止する
  • 解決へ答えがみつかる
  • 自己理解を深められる
  • 心が軽くなる

慢性痛に悩まされている方の中には「不安なとき」「緊張したとき」に痛みが増すという方もいるのではないでしょうか。心の問題にしっかりと向き合い、解決することで慢性痛が解消する可能性があるのです。つらい慢性痛に悩まされている方は臨床心理士が行なう「こころの相談室」をぜひ利用してください。

3. こころの相談室で「慢性痛」が解消した事例

実際に慢性痛に悩んでいた方が、臨床心理士のカウンセリングによって改善した例をご紹介します。61歳の女性は夫との関係性から軽い鬱状態に陥り、さらに長男を亡くします。その後さまざまな箇所に痛みが現れ、とくに足の激痛に悩まされていました。ペインクリニックで検査をするも原因不明で「精神的なものからくる痛み」だと診断されたそうです。その後投薬を受けるも改善せず、こころの相談室のカウンセリングを受けました。 この女性は臨床心理士とともに行なう「良かった探し」と「記録内観」という方法で、苦しみの悪循環から抜け出したのです。「良かった探し」とは、嫌なことや悪いことを探す習慣を変えるものです。嫌なことではなく、良かったことに意識を向ける練習を行いました。毎日ノートに良かったことを記録し、1日に10回以上「ありがとう」を言う方法です。悪いことを考える習慣のある人にとって、良かったことだけを毎日考えるというのは、簡単なことではありません。しかし毎日続けることで、考え方の習慣を根本的に改善できるのです。 一時的ではなく心の根っこの部分と見つめ合い、改善していくことで慢性痛が解消する可能性があります。紹介したものは一例ですが、臨床心理士はその人に合った適切な方法で心の問題と向き合う、カウンセリングのエキスパートなのです。

4. まとめ

本記事では、慢性痛の新たな道である「心理的アプローチ」についてご紹介しました。心のケアは慢性痛治療に効果的であり、臨床心理士のサポートで痛みの原因に向き合えます。心と身体を結ぶ新たな治療法で、つらい慢性痛と向き合いましょう。 奈良県奈良市で慢性的な痛みに悩まされている方は「奈良こころの相談室」にお問い合わせください。多くの方の悩みを解決してきたプロフェッショナルが、あなたの悩みに寄り添います。初回カウンセリングは90分9,000円です。医学の力では取り除けなかった悩みを、一緒に解決しましょう。