どこかで聞いたことがあるけれども、詳しくは知らない事柄は多いのではないでしょうか。今回紹介する発達障害について、名前は聞いたことはあるけれどもどのような症状かと言われても、答えられない人は多いでしょう。ここでは発達障害とはどんなものなのかという、発達障害の基本的なことについて、詳しく解説していきます。
発達障害の概要について
まずは「発達障害とは何なのか?」という基本的な項目についてみていきます。いろいろな種類がありますので、子どもの様子で気になることがあると思うのであれば、何か当てはまることはないかチェックしてみてください。
先天的なもの
発達障害とは生まれつきのものです。通常のお子さんと脳の働き方が異なることで、何か異なる行動や感情の表し方をします。発達障害には自閉スペクトラム症やADHD、学習症、チック症、吃音などいろいろな種類があります。このうちのひとつだけ抱えている子どももいれば、複数を併せ持つお子さんもいます。
自閉スペクトラム症
通常他人とコミュニケーションをとる時には言葉や表情、ジェスチャーなどを使って意思疎通を図ります。これが苦手なお子さんはこの症状を抱えているのかもしれません。まあ特定のことに対して、強く執着する傾向も見られます。
ADHD
ADHDとは注意欠如・多動症とも呼ばれます。年齢の割には落ち着きがなかったり、すぐに注意散漫になったり、不注意によりミスをよくしたりするのが特徴です。注意力散漫と多動性の両方を持っている子どももいれば、両方持っているお子さんもいます。
学習症
学習障害とも呼ばれるのですが、知的障がい者とは異なります。知的障がいの場合、総じて学力に劣ります。一方学習症の場合、読み書きそろばんなどどれか特定の分野だけ苦手なのが特徴です。
チック症
チック症とは口元がキュッキュッと動くような瞬間的な体の動きや発声のことです。チック症は一時的に表れることは子どもの場合、ままあります。ですからしばらく様子を見ていると、いずれ治まる場合も少なくありません。ただし1年以上継続して、日常生活に支障をきたしているようであれば、一度医師の診察を受けたほうがいいでしょう。
吃音
どもってしまうなどスムーズにおしゃべりのできない状態を指します。その他にもある音を繰り返してしまう、音が伸びる、話し出せないなどの症状も吃音の可能性があります。
自分の子どもが発達障害だった場合
自分の子どもが発達障害だった場合、どうすればいいのでしょうか?治療法や対策はいろいろとありますので、ここで詳しく見ていきます。
薬物療法
全ての発達障害のお子さんに対してではありませんが、症状によっては薬物療法を行うことがあります。脳内の神経伝達物質に問題がある場合、薬によってそれを改善します。薬を使用することで、症状をコントロールできるかもしれません。ただしあくまでも症状の改善が目的であって、発達障害そのものを治すわけではないのでその部分は理解しましょう。
療育
「発達支援」とも言います。問題のある子どもに対して将来の自立や社会参加を目標にして、その時々の発達や障がいの状況に合わせて支援します。子どもができることを増やしたり、隠れた才能を引き出したりするプログラムがなされています。
公的なサポート
発達障害を抱えているお子さんに対する公的なサポートもいろいろとあります。場合によってはこちらも積極的に活用しましょう。たとえば発達障害は精神障がい者保健福祉手帳の対象です。そこで障がい者手帳を取得しましょう。そうすれば障がいの種類や程度によっては、いろいろな福祉サービスが受けられます。
また福祉サービスもいろいろと用意されています。障がい児通所支援もあって、児童発達支援や放課後等デイサービスなどを用意している地域もあります。自治体によって対応は異なりますので、お住まいの地域ではどのようなサービスがあるか一度確認しましょう。医療型児童発達支援や保育所等訪問支援サービスもあります。子どもの症状やライフスタイルに合わせて、適切なサービスを受けてみましょう。
学校によっては特別支援学級や特別支援学校など、障がいを抱えている子どもが通いやすい教育機関もあります。進学する時期になったら、地域の教育委員会と話し合って学校をどうするか決めましょう。
まとめ
発達障害を抱えている子どもがいると、より育児も大変になることがあるでしょう。また周りに相談することができずに、一人悩みを抱え込んでしまう親御さんもいるかもしれません。しかし発達障害は脳の障害であり、あなたのお子さんだけに発症するものではありません。まずは悩みを吐き出してみるといいでしょう。
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